確認申請とは、たとえばある施主さんが自分の持っている土地に自分の住宅を建てようと
した場合に、検査機関にこの住宅が関連法規に合っているか「確認」してもらう制度です。
自分の土地に自分のお金で建てるのだから自由というのでは無くて、
皆で市街地で生活する以上、
ある程度最低限の基準は守ってくださいね、
ということです。
そして、その申請者は必ず建築主です(施主さんですね)。そしてその施主さんから全権委任
してもらった(委任状にハンコをもらう)建築士が代行して申請していることになります。
また、工事が始まりますと、工事監理者を設定しますが、これも建築主が指名、任命し、
建築士が代行して行うことになります。
途中の中間検査や完了検査も同様ですね。
また、確認申請はあくまで確認であり、許可ではありません。ですので、確認する側に不備が
あった場合も、国が全面的に責任を取る形にはなっていません。
ですので、あくまでも建築主が自分の責任で、自分の為に住宅を建てているという
自覚が必要となります。
大きな問題が起きた場合、結局建築主が大きな負担を強いるということは先の耐震偽装事件の
時にもあきらかになりました。
今まで、この確認申請というものがとても軽く扱われていました。施主さんは、住宅メーカーや
建設会社に住宅をお願いすると、この確認申請にどのようなハンコが押されているか
あまり細かく関わらないようになっているようです。
しかし、その確認申請書のみが公的な書類であり、その申請者は施主さんなのです。
そして、そこに書かれている建築士が、施主さんの選んだ、自分の住宅の設計者です。
決して住宅メーカーや建設会社の社長さんでは無いのです。
自分の大切な家の確認申請書の、自分の代わりにプロの任務を行ってもらう建築士。
もし、そこに知らない人の名前が書いてあれば、委任状にハンコを押す前に、
一度一緒に会ってみて、じっくり話をしてみてからでも遅いとは思いませんが・・。
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住宅を建てる場合、大抵は2〜3階建てになると思います。
そして、都心部などでは、昔田んぼだったところも多く、結構地盤が悪いことも多いですね。
そこで、まず地質の調査を行うのですが、これには色々な方法があります。
今のところ、一番確実なのがボーリング調査です(一番高価ですが)。
この調査方法は、実際敷地に穴を開け、1mごとに掘って行き、その部分で強度試験をし、また土の採取も行いますので、より確実な判断が可能となります。
その建物に必要な強度の地盤が見つかるまで掘り進めますので、深く掘る時は40mにも及ぶ事もあります。
これで地盤の強度分布が解れば、それから杭等の設定となります。
建物はコンクリート造→鉄骨造→木造の順で軽くなります。
また階数が多いほど重いのは理解できると思います。
ですので、コンクリート3階建てとなると、大阪市内では大抵、杭が必要になりますね。
このボーリング調査は、今の建築法規では、建物の構造計算が必要な建物では、ほとんど申請時に必要となっています。
価格は少し前は1万円/1mと言われましたが、今はそれより上がっているようです。
ですので、一本打てば数十万必要となります。
ですので、構造計算が必要で無い住宅の場合、他の安価な測定方法が採用される事が
多いようですが、一生に一度の買い物。自分の住宅の下の土がどのようになっているか
を知るのは決して高くないかと思います。
そして、最後に、一番重要なのは、そのデータを読む目です。
例えば約5m下にそこそこの硬い地盤が3mほどあり、その下は地盤が悪く、約10mのところにしっかりした地盤があったとします。
その5m下のそこそこの地盤が設計上ぎりぎりOKと考えて、そこまで杭を打つか、安全を考えて10mまで杭を伸ばすか。
私が設計者であれば、10mまで杭を伸ばし、その分の施工費を説明して納得してもらいますが、設計者と施工者が同じ組織で、また工事金額が決定していたりしたら・・。
どちらを選択するかは明らかだと思います。
地質調査をしたから安全ではなく、その内容を必ず設計者に尋ねる事が重要です。
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住宅を建てるとき、その建物が高いか安いかを知る要素として坪単価という目印があります。
よく、設計が完了し、建設会社に見積もりが出てきますと、電卓をたたき、その金額を
法定の延床面積で割ると、よくテレビのCMや新聞広告で出ている金額の倍以上となり、びっくりされて、「えらい高いわね」と言われる方がおられます。
しかし、この坪単価、計算の仕方によって、同じ建物でも30万円/坪になったり70万/坪に
なったりもします。
これはこの坪単価を出す方の思惑が絡んでいまして、少しでも安いのをアピールしたければ、
色々オプションを除き、面積計算に、色々な部分を入れていけば、単価は安くなっていきます。
ですので、このようなアピールの坪単価はあまり意味がありません。
そして、この坪単価を安くしようとすれば、天井は出来るだけ低く、余分なスペースは設けず、
吹き抜けはもってのほかと、その建物の魅力を下げていくほど、同じように下がりますので、
この坪単価が安い建物は、それだけ住んでてつまらない住宅だとも言う事ができます。
決してその会社の企業努力や、値引き等の差ではありません。
ですので、坪単価はあまり考えずに、トータルの金額と、空間で高いのか安いのかの判断を
してもらえばと考えます。
また、この坪単価の計算方法の中でも、細かく空間によって掛け率を算定すれば、良い設計に
なっているかの指標になり、判断材料として使えます。
これは、例えば階高が一定以上であれば、床面積を2割り増しにするとか、屋上や吹き抜けは
半分の面積で計算するとか、仕上げのグレードにより-10〜10%程度面積を増減し、
独自に空間の豊かさをプラスして、立体で坪単価を出す方法です。
この方法で計算しますと、我々のような建築家が設計をした場合、ハウスメーカーの建物
より安い坪単価となることが多いようです。
とにかく、この坪単価という指標は、我々が概算工事費を略計算する為にあるものでして、
施主さんはけっしてこの数字にとらわれることのないようにしてくださいね。
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住宅を鉄骨造で建てる理由、または施主さんが鉄骨造を選ぶ理由は色々あります。
その理由は、
?なんといっても耐震安全性。
?空間に自由度
この二つに集約されます。
?はどちらかというと施主さん側の要望が強いと思います。
たとえば大阪市内とかの密集地で、敷地も狭いが大きな建物を建てたいとなると、どうしても3階建てとなります。
都市部ゆえ建物の防火性能も要求されてきますので、木造3階建てとの比較検討と
なるのですが、一生に一度の買い物、少しお金がかかってもということで、鉄骨を選ばれます。
?は、どちらかといえば、私たち設計する立場にとってメリットになります。
どうしても木造3階建ては法的に制限が多く、自由度が少ないですね。
そこで、鉄骨造住宅について、詳しく説明したいと思います。
まず、鉄骨には重量鉄骨と軽量鉄骨との区分けがあるようです。
調べてみると、厚みが6mmより上か下かで区別しているようですね。
そして、住宅の場合、重量鉄骨造と軽量鉄骨造とに分かれていることになっています。
この軽量鉄骨造の住宅というのは、ほとんどがハウスメーカーが独自に計算して、お国から認可を得ているものですので、私たちには良くわからないのですが、どうやら3mm厚程度の鉄骨材料を利用して作っているようです。
そして、いわゆる重量鉄骨造というのは、はたして6mm以下の材料を使っていないかといえば、結構H鋼の-部分は5mmだったりするので、良く分かりません。
ここまで、長々と書きましたが、結局この呼び分けにはあまり根拠が無いということです。
普通に鉄骨造の住宅といえば、業界の呼び名の重量鉄骨造の事を言います。
というのも、前述の?と?、特に?については、重量鉄鋼造でしか得られないからです。
そして、?の安心を得るためには、まず敷地のボーリング調査をし、必要であれば、しっかりした杭工事を行い、その上に工業生産品である鉄骨の梁や柱を余裕のある設計のもとに施工し、床には鉄板で作った床材を引き、その上にコンクリートを打設する。
これにより安心できる鉄骨造住宅となります。