全ての施主さん共通の考えだと思います。
これは建築士や建設会社も同じです。
最近、農業や漁業で
直接生産者から間を通さずに購入することで
新鮮なものを安く購入出来ることが
話題になっていますよね。
いわゆる産直販売というものです。
これを住宅に利用できるものの代表として
木材があります。
林業は、農業や漁業と似ていますので
同じことができるのですが
当然メリットとデメリットとがあります。
普通、木材が住宅建設現場にたどり着くまでは
以下の流れになります。
山林にある製材所が木を切り出し、加工する。
↓
それがその山の組合(農協のようなところですね)
に集められます。
↓
そこに問屋のような買い付け人が購入しに行き
それがその地域の倉庫へと運ばれます。
↓
各々の地域の材料屋さんが
そこから欲しいものを買い付けます。
↓
建設会社や、その下請けの業者さんが
そこから必要分買い付け現場に運んでもらいます。
大まかに言うとこのような流れになっています。
(わかりやすくする為に随分省略していますが・・)
そうして常に安定供給されているのですが
ここで施主さんが、産直販売に挑戦するとなると
山林の製材所→施主さんが買い付け
→建設現場に支給し工事、となります。
当然、間を省いているので、
木材そのものの値段が安くなります。
そのかわり、何かあった場合
全て自己責任ということを
認識する必要がありますね。
例えば、床のフローリング材を
産直で購入する場合
その製材所と、材料の確認、金額交渉
数量決定、配送手配
などは全て施主さんが行うことになります。
そして良くない材料が届いた時の返品や交渉も
全て施主さんです。
また、工事を行う建設会社の理解も
必要になってきます。
建設会社にとっては、
材料を購入する利益が無くなり
大工さんの手間代だけになりますので
工事代金は通常よりも高く支払う必要があります。
結局、施主さん単独でこれらの事を行うのは
あまりにも専門的な事が多いと思いますので、
建築士と協同で作業を進めていくことになると思います。
ですので、この産直で木材を購入するのは、
普通の材料を少しでも安く仕入れたい
という考えの場合、あまりうまくいきません。
そうではなく、
例えば和室の造作材だけ、とか
フローリングだけとかに絞って、
普通手が出せない高価な材料を
少しでも安く購入したいというときは効果があると思います。
インターネットで検索すれば
このような産直を行っている会社はたくさんあります。
しかし、ネットでの確認だけで発注するのでは
失敗も多いと思います。
やはり自分の足で実物を見に行き
交渉するくらいでなければ成功しないでしょうね。
どちらにしても、建築士と現場監督の協力がなければ
成立しませんので
早い段階で協力してもらえるか
確認する必要があると思います。
上部写真は鶴見の家ですが
和室や階段材は全て奈良県吉野の製材所から
直接購入しました。
2008-8-29 初回
2015-8-6 更新