住宅を建てる際、ハウスメーカーや建設会社と契約し、工事が始まるのですが、
実際その現場にいる人達は、その契約した会社の社員は現場監督ただ一人だけで、
他は、色々な下請けの職人さん達となります。
この人達は各々独立した会社の親方とその社員等でして、
職種は大工や左官、塗装、建具、タイル、内装、各設備等々、
色々な職人達によって住宅は建てられていきます。
建築業界を下支えするこの職人さん達には、色々な方がいます。
大学を出て会社に勤めるスーツ姿のサラリーマンとは全く逆の方々です。
きつい仕事環境の中、寡黙な方が多い印象ですね。そして地方出身者が多い。
中には昔「ワル」だった方や、今も仕事が終われば「ワル」に戻る方も
チラホラいるかと思いますが、現場ではその「ワル」は全く通用しません。
各々、その職方のその現場でのプロフェッショナル。
何かあっても他の職人さんは手伝ってはくれませんし、作業が遅れると、
他の職人さんに迷惑がかかる。
そして仕事を完了して初めて報酬を得る。現場は真剣そのものです。
ですので、住宅の現場で、我々監理者や、施主さんは、
その職人さんとどのように接するかは結構重要です。
というのも、お金を出しているのは施主さん、その建物の設計をしているのは監理者では
ありますが、職人さんとは直接契約関係では無いからです。
しかし、私もできるだけ現場では監督さんと打合せを進めて行くのですが、
住宅は小さい現場も多いので、どうしても職人さんと打合せをすることが出てきます。
(特に大工さんや左官屋さん達ですね)
その場合、私はその職人さん達とは、その専門分野の話しかしないように努めています。
例えば、大工さんでしたら、材料や、納め方について、私の意見だけでは無く、大工さんの
意見を入れて話を進めます。
決して世間話はしません。休憩時間に、一緒にお茶を飲むということもしないようにしています。
現場ではお互いプロ対プロとして接し、緊張感を高めようと考えています。
というか、彼らも現場ではその職方のプロとして、黙々と業務を遂行しているのですから、
建築家の世間話に付き合ってもらって、時間をロスさせるのは失礼かなと考えています。
逆に、施主さんは、プロ対素人ということになります。
決して職人さんと仕事の内容の話はしないでください。
時間があれば、世間話か、その仕事の説明を聞く程度として、
決して意見は言わない方が良いと思いますね。
気になった事があれば、監督さんか監理者に別のところで尋ねてください。
施主さんと現場監理者が、そのようにして、職人さんが力を発揮しやすい環境を作れば、
それが良い住宅へとつながると思いますね。
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