鉄骨やコンクリート造の住宅は必ず構造計算が必要となりますが、木造在来2階建ての住宅は、
今のところ構造計算は必要ではありません。
(来年5月に法律が変わりますのでその後はわかりませんが・・・)
この構造計算というのは、コンピュータを使って、その建物にかかる荷重や地震、
台風の力を想定で入力し、大丈夫な柱や梁の大きさを計算することです。
日本の在来木造住宅は昔は大工さんの長年の勘を頼りに
部材の大きさを決定してきました。
これは単に荷重だけでなく、建物全体を見て、
安全、安心な寸法や組み方を決めていたのです。
それがコンピューターによる計算を行うと、まるでゲーム感覚で部材の大きさを決定する
ことができます。ソフトには学者と役人が設定した数値が入力されており、
設計者が部材の大きさを設定し入力すると、計算結果はOKかNGかで出ますので、
時間をかければ、いろんな部材の最小限の寸法を導き出すことができます。
よく、住宅関連会社の中で、わが社は全て、構造計算をして安全性を確かめているので、
より強い構造になっていますとの売り込みを目にしますが、それは少し違います。
会社によっては、計算結果を良心的に判断しているところもあるでしょうが、
構造計算をしているということは、その会社にとって、
もっとも効率的で経済的な部材寸法を決定する為に構造計算をしているのであり、
どちらかと言えば建設会社の為に行っていると言えます。
本当に安全で地震に強い建物を手に入れるには、その構造計算の安全率を
法律ぎりぎりでは無く余裕のある数値にする必要があります。
それと、計算でははじき出されない、全体のバランス、昔からの日本人が伝承してきた知恵を
加味する必要があります。
ですので、建設会社に在来木造住宅を依頼される方は、工事担当者に聞いてみることです。
構造は業者に任せっきりです。と言われたら要注意です。
長年木造在来住宅を手がけてきて評判の良い会社は、重要な木構造に関して、
決して他人まかせにはしていませんよ。
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