個人が住宅を建てる場合で、設計事務所に依頼された場合。
設計者とともに設計を進め、見積もりがとれる図面が出来た段階で、
工務店選びをする必要があります。
その住宅を手がける工務店には色々な種類がありますので、
その中で、数社選び入札とすることが今のところ慣例ですね。
その入札金額。設計者が作成した同じ図面を元に見積もりをしているのですが、
その会社の考え方等により、ずいぶん金額に違いがでます。
というのも、その会社の見積もり担当者が日頃どのような工事の見積もりを行っているかで
ずいぶん変わってくるからです。
例えば、常に建築家の仕事を請け負っている会社の場合、
建築家の図面を見慣れていますので、その図面通りに施工すると
どの程度お金が掛かるかが解っています。
しかし、日頃設計施工の建物を請け負っている場合、建築家の図面での判断ではなく、
現場である程度融通が利くと判断して金額を入れる傾向があります。
ですので、けっして金額のみを見るのではなく、中身を見る必要がありますね。
また、見積もり内容がしっかりしていて、なお、提示された金額が非常に安い場合。
これはその会社がその仕事をどうしても取りたいということを表しています。
そのどうしても取りたい理由は色々あり、
A 少々赤字でも会社の実績として、これからの宣伝材料にしたい。
B 決算の関係で、どうしても今仕事を確保したい。
このような理由は結構ありますが、その場合、工務店からかならずその旨伝えられる事が
多いですね。
しかし、
C 仕事が無く、抱えている職人などを遊ばせておくなら、安値でも受注したほうが良い。
D 経営が自転車操業に陥っており、ここでお金が入らないと、会社運営がままならない。
のような場合、これは結局施主さんにとって不利益になりますので、見極める必要があります。
まれに、その会社の経営努力により、特定のある建材メーカーが
非常に安く入るルートを確保している会社があります。
その場合、その条件提示が見積もりと同時に出てきますので、それに納得できれば、
その会社は、施主さんにとって良い会社だと言えます。
また、入札し、最低金額者に落札という制度は、普通に同じものを作る官庁工事や、
道路など土木工事では有効ですが、オリジナルの住宅の場合、本当はあまり適していません。
理想は、信頼できる建築家と共にこの会社であれば任しても良いかなと思える会社を選び、
そして見積もりを取ることです。
要は、見積もり依頼する前に、その会社を訪問したり、工事現場、完成住宅を見学するのです。
そして、結果良いなと思える会社が一社しかなければ単独見積もりでも良いと思いますね。
その会社には他にもう一社見積もりしていると伝えれば良いのですから。
実際は、まだまだこのような工務店選びは稀ですが、これからは増えていくかもしれません。
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