外断熱住宅。最近良く耳にする言葉ですね。
言葉の意味は単純で、断熱材が外側にある住宅ということです。
ということは、木造でも鉄骨でもRCでも断熱材を外側に持ってくれば外断熱になりますので、
巷にはあらゆる外断熱住宅があふれていますね。
しかしながら、外断熱の本来の効果を期待するのであれば、やはりRC外断熱になると思います。
たとえばコンクリート壁式工法で家を建てた場合、壁のコンクリートは約20cmの厚みとなります。
この20cmのコンクリートはとても大きな蓄熱層となりますが、断熱性能はありませんので、
その内か外に断熱材を設置する必要があります。
今までは、施工のしやすさを考え内側に断熱材を施工していたのですが、
この場合、たとえば暑い夏では日中の太陽の熱をコンクリートが貯蓄し、
夜になっても壁は暑いままとなります。
その暖められたコンクリートは、内側にある断熱材を少しづつ通り抜け、
夜の間、ずっと室内は暑い状態となります。
そしてそのコンクリートが冷める間もなく朝が来て、また太陽に熱せられる・・・。
ですので、猛暑日などでは常にエアコンが必要になってしまいます。
逆に外断熱ですと、断熱材によって、コンクリートに熱が貯蓄されにくくなり、
室内では、昼間にエアコンによってコンクリートは冷やされると、
そのまま継続されることになりますので、夜はエアコンが必要なくなります。
結果室内は常に快適な状態を保つ事ができ、光熱費も安くなります。
この外断熱は、暑さというよりも、厳しい寒さの対策として、主に寒冷地で行われていました。
地域としては北欧や日本では北海道などですね。
しかし昨今の地球温暖化で、特に都市部では夏の暑さがとても厳しくなり、
この外断熱が、暑さ対策としても利用されるようになりました。
ここまで書くと、RC外断熱住宅は良いことばかりに聞こえますが、
当然デメリットもあり、これまであまり採用されてきませんでした。
その理由は2つでして、コストUPと施工が難しいということです。
施工が難しいのは、設計者がきちんと監理をすれば良いのですが、
コストについてはどうしようもありません。
結局、当初少々高いお金を払って快適な空間を得て、その後の光熱費が低減されるのを取るか、
その逆でバランスを取るかの選択になりますが、
もしRC住宅を建てるのであれば、一度検討するべきだと思いますね