中間建築設計工房ブログ/建築家 大阪

にほんブログ村 住まいブログ 住宅設計・住宅建築家へ  大阪で住宅を中心に活動している建築家・設計事務所です。 日々の生活や仕事の事柄を書いています。

消費税UPの考察

来月4月より消費税が上がりますね。
さて、これからどのような影響が
出てくるのでしょうか。

ある方が家を建よう、賃貸マンションを建てよう
事務所や工場を建てようとする時には
色々打ち合わせを重ねて、設計図面を作成し、
その図面で工事業者に見積もりをとり
そして工事契約をし工事を進め、完成します。

この過程の中で、工事契約が昨年の9月までに
または完成が今年の3月までに出来たものについては
共に消費税は8%ではなく5%となります。

そこで、色々かけ込み需要が出てきました。
その影響について、私が体験したものとしては・・・

昨年9月、各建設会社は、かけ込みでたくさんの工事を
請け負いましたので、昨年10月から年末までの間
建設会社に見積もりをお願いしても
見積もりをしてもらえない(見積もり辞退)ことが多くなりました。

また、昨年秋頃は主に足場等、年末は屋根や外壁の業者
年が明けてからは内装業者等が不足し、私が監理している現場でも
工事が遅れたり、色々困ったことがおきました。

私の事務所の隣のビルは昨年12月から大規模改修工事に入り
2月に終了とのチラシが入っていたのですが
今でも足場はそのままで、工事をしている様子もありません。

明らかに、消費税3%UPがかけ込み需要につながり
それまでの不景気で職人離れや、リストラ等が進んでいた業界が
パニックに陥ったことが見て取れます。

次は、消費税UPと工事等の単価についてです。

昨年、「アベノミクス効果」で色々な値段が上がり始めました。
建築業界は、色々な出来事で上げ下げはあったものの、
基本、バブル期に最大となり、その後昨年まで
ずっと横ばいと下げを続けていました。

これは工事単価だけでなく、施工される総面積や
建築労働者の人数ともリンクしていまして

施工される面積が少なくなる→工事単価が下がる→
建設労働者が減る→施工される面積が少なくなる→

と負のスパイラル状態となり
それが、バブル期に建てられた建物の必要な改修工事が
多くなって来たりとか色々な条件がそろい
これ以上下がらない状態になったのが一昨年頃で
その後「アベノミクス」と言い出して上がってきていますが
安倍さんが負のスパイラルを止めたのではなくて
単に需要と供給のバランスで上がり始めたと思っています。

しかし、そのバランスを崩すように、消費税UPで
かけ込み需要が起こってしまいました。
今後はどのように進んでいくでしょうか。

昨年上がりだした工事単価は、消費税かけ込み後も
今のところ下がることなく上がり続けていますが、
高騰するのではなく、あくまでも緩やかな上昇だと思います。
建設需要に関しても、以前のような、かけ込み後の
急激な落ち込みも今のところおきてなく
改修工事等は今から来年の仕事の引き合いも多く
忙しい状態が続いているようです。

この状態が続けば、消費税UP前に契約をされた方、
UP後に契約をされた方共に不利益にはなっていませんし
業界としても、需要は緩やかに上昇、職人さん達の賃金も
同じく緩やかに上昇ということで、うまく進んでいると思われます。

しかし、大体、予測は外れることも多く
急に何かが起こるかもしれません。
しばらくは動向を注視する必要があると思いますね。

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